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就任1カ月 モラトリアム法案いかに 「こわもて亀井」柔軟性で実も
中小・零細企業の借金返済を猶予する「モラトリアム法案」をぶちあげた亀井静香金融・郵政改革担当相が16日、就任から1カ月を迎える。周囲の批判をはねのける強硬姿勢ばかりが目につく中、実効性ある法案を作れるか、手腕が問われる。

 ≪周囲の慎重論一蹴≫

 「『貸付条件の変更』には返済猶予が入るに決まっている。住宅ローンは千差万別だ。今、詰めている最中だから言うわけにいかない」。亀井金融相は13日の閣議後の記者会見で、声を荒らげた。

 モラトリアム法案には、国が強制的に金融機関に返済猶予を迫るイメージが先行した。与党三党の政策合意に返済猶予に関する記載がなく、藤井裕久財務相や平野博文官房長官が難色を示した経緯がある。

 収益悪化の懸念から金融界も反発し、全国銀行協会の永易克典会長が慎重論を要求。銀行株の下落について「株式市場全体の下げ要因」(市場筋)との見方も出た。

 これに対し、亀井氏は強気の姿勢を貫き、閣内の慎重姿勢にも、「鳩山由紀夫首相が私を更迭すればいい」と一蹴(いっしゅう)。銀行界を「私の発言で株価が下がるような脆弱(ぜいじゃく)銀行は銀行業を営む資格はない」と切り捨てた。

 大塚耕平金融副大臣によるとモラトリアム法案として臨時国会に提出する「貸し渋り・貸しはがし対策法案」は、金融機関と企業との交渉で貸し付け条件の変更に応じる「努力規定」に近いという。

 融資先の破綻(はたん)に備え、政府保証を付ける“アメ”と金融検査・監督を徹底する“ムチ”で、金融機関に返済猶予に応じるよう仕向ける狙いだ。

 ≪国民理解得られるか≫

 亀井氏を知る金融庁幹部は言う。「最初に大きくぶちあげ、最終的に現実路線に落ち着くのが亀井さんのやり方」。こわもての印象が強い亀井氏だが、法案化作業では硬軟織り交ぜた対応をみせているという。

 ただ、政府保証のツケは最後には国民に回るだけでなく、返済猶予に応じる基準もあいまいだ。猶予対象は不良債権とみなさない緩和策は、世界的な金融規制強化の流れに逆行しかねない要素をはらんでいる。

 亀井氏の根底に横たわるのは旧自民党政権、特に小泉純一郎政権の「真逆を行く」姿勢だ。貸し渋り・貸しはがしの原因として、亀井氏は小泉政権下で加速した不良債権処理が原因と銀行界を批判。自民党寄りとされた日本経団連にも「大企業経営が下請け企業を苦しめ、社会の風潮をすさませた」という趣旨の発言で物議をかもした。

 代表をつとめる国民新党が与党内で埋没しないようにする狙いも透けてみえるとはいえ、新政権発足後、初めての法案に国民の理解をいかに得るか、正念場は続く。
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2009-10-15 Thu 09:49
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